VERA計画への参加(VERA入来局の運用)


「VERA」ってどんなもの?(その二)


VERA計画、登場!でも・・・

そこで登場したのがVERA計画、VERAの電波望遠鏡です。
 VERAでは、直径20メートルの電波望遠鏡を
日本列島の四ヶ所に配置してVLBI観測を行い
最長で水沢−石垣島を結ぶ直径2300キロメ−トルの
巨大な口径を持つ望遠鏡と同じ性能を発揮することができます。

この口径は、大きければ大きいほど
細かい天体の構造を見分けることができます。

しかし少し考えてみると・・・例えばアメリカの国土を考えれば
もっと大きなVLBI電波望遠鏡ができるはずです。

VERA最大のライバル、アメリカのVLBA。

実際アメリカには「VLBA」という名前のVLBI観測装置があり、
その最大直径は8600キロメ−トル(!)にもなります。
これは「VERA最大のライバル」という位置付けです。

さらに一方では、すでに日本が打ち上げた
電波望遠鏡衛星「はるか」を使って、宇宙規模のVLBI、
その名も「スペ−スVLBI」が行われています。

宇宙規模のVLBI観測装置、VSOP。

ということは、VERAは特筆するほど大きな
VLBI観測装置ではないということになってしまいますね。

ではなぜ今になって、それほど大きくないVLBI観測装置である
VERAを作り、そして観測をはじめたのでしょうか・・・?

VERAで可能になった、世界初の試み

実はVERAが重要視するのは、その観測精度です。
VERAは、今までにない、世界初独自のしくみを持っています。

一般的に、ひとつの電波望遠鏡は、
ひとつの天体しか見ることができません。
これは、天体の電波を受信する装置(受信機)が
電波望遠鏡の中にひとつしかないためです。

それに対しVERAで使われる電波望遠鏡は、
ひとつの望遠鏡にふたつの受信機を持ち、
天球面上で最大2.2度角まで離れた互いに近くにある
ふたつの天体を同時に観測することができます。

この利点は、地球大気の揺らぎを取り除くということにあります。

天球面上で2度離れていても、その方向の大気の状態、
つまり雲や水蒸気の量、地球電離圏の影響などは
その二つの天体に対しては ほぼ等しいと考えることができます。

VERAの二天体同時観測

ということは、片方の天体を基準にして
もう片方の天体を見ていれば、それまで
ジャマな存在だった大気の存在を
気にする必要が無くなりますよね。
「複数の天体の位置を相対的に測る」という
このような観測手法を、「相対VLBI」といいます。

実は今までのVLBIで問題だったのは、何を隠そう
この「大気の揺らぎの影響がとても大きい」ということで、
これではいくら巨大な望遠鏡を作り上げたとしても
撮った写真(電波写真)に写っている天体の位置が
本当に正しいのか、それとも大気の影響を受けて
大き目の誤差を持っているのか、判断がつきませんでした。

VERAが作り上げる、天の川の立体地図

しかしこのVERAを使った相対VLBIによって達成される
観測精度は、なんと今までの100倍(!)にもなります。

数字にすると、「十万分の一秒角」という途方もなく細かい値ですが、
具体的に表現すると、それは月の上にころがっている一円玉でさえ
見わけることができるほどなのです!
(注:一秒角は一度の360分の一の角度です。)

天の川は、どんな形かな?

こうしてVERAは、今まで誰も見たことの無かった銀河系の姿、
つまり天の川の姿を、世界の誰よりも早く描き出そうとしています。

あなたもぜひ一度、VERA入来局へ足を運んでみませんか?


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