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星周円盤の形成と初期進化過程の研究


星は分子雲コアの重力崩壊によって形成されると考えられていますが、分子雲コアが 角運動量を持つ場合、原始星の周囲には回転によって支えられた円盤(星周円盤、原始惑星系円盤) が形成されます。


図1:星、星周円盤の形成進化過程の概略図

形成直後の星は木星質量程度の重さしかなく、円盤からの質量降着によって99%以上の質量を 得ます。また、円盤は我々が住む惑星の形成現場でもあります。したがって円盤の形成進化過程を知ることは 星、惑星の形成進化過程を知る上で本質的に重要です。 私はスーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションによって星周円盤の形成進化過程を分子雲コア の重力崩壊から一貫して調べています。


図2:円盤の形成進化過程のシミュレーション例。上段右の時点で中心に原始星が形成してる。

連星系における惑星形成過程の研究


原始惑星は微惑星と呼ばれる、直径数kmから数10kmの固まりが互いに衝突合体を繰り返しながら形成すると考えられています。単一星の周りでの微惑星集積過程はこれまでよく調べられてきました。一方、宇宙の星の半分以上は連星として存在することがわかっているにも関わらず、連星中での微惑星集積過程はあまり調べられて来ませんでした。 私は連星の摂動のもとで微惑星集積がどのように進むかを研究してます。


図3:微惑星の集積過程の例。横軸が軌道長半径横軸が軌道離心率。図の白丸は微惑星、黒丸は原始惑星を表す。

共鳴TNOsの軌道安定性の研究


太陽系外縁には太陽系外縁天体(Trans Neptunian Objects:TNOs)と呼ばれる小惑星が存在します。それらの軌道は太陽系でかつて起きた 惑星の大移動の痕跡を残していると考えられており、現在活発に研究されています。特に共鳴TNOsと呼ばれる種族(冥王星もここに含まれる) はかつて海王星が外側に移動したために形成したと考えられており、 原始太陽系の軌道進化の痕跡を残す非常に興味深い存在です。


図4:海王星移動前と移動後のTNOsの分布。横軸が軌道長半径横軸が軌道離心率。海王星は23AUから30AUまで移動したと仮定した。軌道離心率が大きくなっているTNOsが共鳴TNOs

しかし、ここで注意しなければいけないのは現在の TNOsの軌道が当時と同じままであるとは 限らないことです。 数10億年という非常に長い時間をかけてTNOsの軌道は徐々に変化してしまう 可能性があります。 私は数10億年の間、共鳴TNOsの軌道が安定かを研究しています。